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更新日付:2026年6月1日
知事コラム(2026年6月)
ティファニーで青森を
美術館巡りは旅に欠かすことができない。
新婚旅行で訪れたウィーンの美術史博物館では、ブリューゲルの絵を鑑賞しながらハプスブルク家の栄華に思いを馳せた。親戚の結婚式で訪れたミュンヘンのノイエ・ピナコテークでは、歩き疲れたまだ幼かった娘を抱えてゴッホのひまわりの前で写真を撮ったのが思い出だ。ルーブルでは、そもそも入口を探すのに迷い、所蔵されている絵画群を取り巻く宮殿建築に魅せられ、時間を忘れて探索した。
これまで本当に多くの美術館を訪れた。かつて仕事をしていたNYとその周辺だけでもMoMA、グッゲンハイム、ホイットニー、ボストン、フィラデルフィア、ワシントン国立。それぞれが所蔵美術品、その建物、街の歴史が渾然一体となって私の記憶の中に良質な“おり”のように沈澱している。
中でも最も数多く訪れたのが、メトロポリタン美術館。もう数十回も行っている。何度訪れてもその都度発見がある。“良い美術館”は“良い本”のようだ。
そんなメトロポリタン美術館に青森がある(と思っている)。ティファニーコレクションに「Autumn Landscape」というステンドグラスがあるが、ある時、日本のキュレーターがこれは「奥入瀬渓流ではないですか」と伝えてくれた。奥行きのある湖から滝のある渓流の風景、木々が秋に色づく中、夕日の光が溶けている。見れば見るほどそのように見えてきて、今ではそう信じている。
県立美術館が開館20周年となった。シャガールの傑作バレエ「アレコ」の舞台背景画、世界のムナカタのコレクション、そして現代アートの巨匠奈良美智の作品群が、縄文の記憶を現代的に再解釈したとも言われる青木淳の建物の中で迎える。日本だけでなく世界に誇れる青森の宝だ。
内側から光を放つ名画や美術品は私たちの心をそのことによって開く。旅が何かを観に、何かを探しにいくものならば、その先に美術館があるのだろう。人生もまた同じ。
20周年の節目の今年、皆様も県立美術館にお越しください。きっと何か新しい発見があるはずです。ティファニーに青森があるように。
新婚旅行で訪れたウィーンの美術史博物館では、ブリューゲルの絵を鑑賞しながらハプスブルク家の栄華に思いを馳せた。親戚の結婚式で訪れたミュンヘンのノイエ・ピナコテークでは、歩き疲れたまだ幼かった娘を抱えてゴッホのひまわりの前で写真を撮ったのが思い出だ。ルーブルでは、そもそも入口を探すのに迷い、所蔵されている絵画群を取り巻く宮殿建築に魅せられ、時間を忘れて探索した。
これまで本当に多くの美術館を訪れた。かつて仕事をしていたNYとその周辺だけでもMoMA、グッゲンハイム、ホイットニー、ボストン、フィラデルフィア、ワシントン国立。それぞれが所蔵美術品、その建物、街の歴史が渾然一体となって私の記憶の中に良質な“おり”のように沈澱している。
中でも最も数多く訪れたのが、メトロポリタン美術館。もう数十回も行っている。何度訪れてもその都度発見がある。“良い美術館”は“良い本”のようだ。
そんなメトロポリタン美術館に青森がある(と思っている)。ティファニーコレクションに「Autumn Landscape」というステンドグラスがあるが、ある時、日本のキュレーターがこれは「奥入瀬渓流ではないですか」と伝えてくれた。奥行きのある湖から滝のある渓流の風景、木々が秋に色づく中、夕日の光が溶けている。見れば見るほどそのように見えてきて、今ではそう信じている。
県立美術館が開館20周年となった。シャガールの傑作バレエ「アレコ」の舞台背景画、世界のムナカタのコレクション、そして現代アートの巨匠奈良美智の作品群が、縄文の記憶を現代的に再解釈したとも言われる青木淳の建物の中で迎える。日本だけでなく世界に誇れる青森の宝だ。
内側から光を放つ名画や美術品は私たちの心をそのことによって開く。旅が何かを観に、何かを探しにいくものならば、その先に美術館があるのだろう。人生もまた同じ。
20周年の節目の今年、皆様も県立美術館にお越しください。きっと何か新しい発見があるはずです。ティファニーに青森があるように。
(AOMORI MAG(あおマグ) - 2026年6月号)



