ホーム > ようこそ知事室へ > 知事記者会見録

知事記者会見

知事記者会見(定例)/令和6年10月2日/庁議報告ほか

知事コメント動画

  • 知事コメント動画はこちら

知事記者会見録

会見日時:令和6年10月2日水曜日 11時00分~12時05分
会見場所:県庁西棟889会議室
会見者:宮下知事

〇幹事社
 ただ今から定例記者会見を始めます。
 まずは、知事から報告をお願いします。

〇知事
【「青森県人づくりビジョン」の策定について】
 人財育成については、これまで「あおもりを愛する人づくり戦略」に基づき、取り組んできたところですが、今般、青森大変革を進めていくための新たな人づくり施策の方向性を示すものとして、「青森県人づくりビジョン」を策定しました。
 本ビジョンでは、めざすべき人財像として「ふるさとに誇りを持ち、創造力豊かで、青森新時代を主体的に切り拓くことのできる人財」を掲げています。
 重点的に育成の対象とする人財は、「予測困難な時代を生き抜くこどもたち」、「県民の所得向上を実現する人財」、「人口減少を乗り越えるための地域づくりの担い手」の3つの分野としています。
 また、育成した人財が「挑戦し、変革を起こす」ため、2つのミッションと4つのバリューを掲げています。
 現在、県の人財育成については、若手社会人を対象とした「AX青森新時代ゼミナール」や、高校生を対象とした「高校生海外フィールドワークチャレンジ」、そして中学生を対象とした「未来ひらめき創造塾」のほか、産業分野では、デジタル人財やスタートアップ人財の育成、農業分野では、「あおもり農業グローバルチャレンジ」や「青森農業経営塾」など、各分野において取り組んでいます。
 今後は、本ビジョンに基づいて、めざす人財像や人づくりの基本的な考え方などを、庁内各部局、そして市町村などとも共有して、本県の未来を担う人財育成に取り組んでいきます。
 また、本ビジョンで示す人づくり施策の方向性については、今後予定している「青森県教育施策の大綱」の見直しや、県職員および市町村職員の研修制度の見直しにも生かしていきたいと考えています。

【令和6年産米のプロモーションについて】
 いよいよ、「青天の霹靂」や「はれわたり」、「まっしぐら」など、「あおもり米」の新米の販売が本格化します。本日は、令和6年産米のプロモーションについて、ご報告します。
 今年は、デビューから10周年を迎え、ブランド米としてさらなる飛躍の1年を迎える「青天の霹靂」と、全国デビュー2年目で、家庭用米として浸透する大事な1年となる「はれわたり」に重点を置いたプロモーション活動を展開いたします。
 特に、「青天の霹靂」は、デビュー10周年を前面に打ち出したプロモーションを展開するため、記念のロゴマークを作成しました。「ありがとう・サンクス」バージョンと「新米」バージョンを米袋に貼って、販売を促進していきます。
 この他、青森米本部のウェブサイトに、これまでの10年を振り返る特設ページを公開するとともに、県内の45店舗に販売員を配置して店頭での推奨販売などを展開していきます。
 次に、県内外で放送するテレビ用CMを制作しましたので、ご覧ください。まずは「青天の霹靂」です。
 このCMのコンセプトは、10年目もおいしくできた「青天の霹靂」を、「全国の人に届けたい。」です。県内では10月10日から、県外では10月19日から東京・大阪などの大都市圏で放映されます。
 続きまして、「はれわたり」です。
 こちらは、弘前南高等学校の皆さんにご協力いただいて、身近なお米であることをPRしています。コンセプトは、「みんなで食べるとごはんは、おいしい。そして、たのしい。」で、県内で10月7日から放映します。
 なお、いずれのCMも、ウェブサイトで公開する予定です。
 次に、「青天の霹靂」と「はれわたり」のポスターを紹介します。
 「青天の霹靂」は、10年目もおいしくできたということで、全国の皆さんにお届けしたいという思い、「はれわたり」は、みんなでおいしく、楽しく食べてほしいという願いをデザインに込めました。
 最後は、10月10日から始まる「あおもり米を食べて当てようキャンペーン」のお知らせです。
 本キャンペーンでは、期間中に、「青天の霹靂」または「はれわたり」を2キロ以上購入し、レシートと米袋の画像を添えて専用サイトから申し込むと、抽選で県産品が当たります。この機会に、ぜひ新米のおいしさをお楽しみください。
 本年産米は、収量は平年を上回り、品質も、申し分ない出来です。これからも、あおもり米と県内のお米農家の皆さんの応援をよろしくお願いします。
  
【スマートムーブ通勤月間について】
 県では、10月を「スマートムーブ通勤月間」としています。
 「スマートムーブ」とは、公共交通機関を利用したり、車の運転時にはエコドライブを実践したりと、その時々に合わせた「エコで賢い移動方法」を選択するライフスタイルのことです。
 「スマートムーブ通勤月間」では日頃の通勤手段を見直し、ノーマイカー通勤やエコドライブの実践をしましょう。
 昨年度の通勤月間にも、多くの事業所の皆さんに参加していただきました。
 参加方法など詳細は県ホームページに記載しています。
 今年度も、環境と健康に優しい「スマートムーブ」に、皆で一緒に取り組みたいと考えていますので、よろしくお願い申し上げます。

【質疑応答(報告案件について)】
〇幹事社
 それでは、ただ今の報告に対する各社の質問とします。質問は簡潔になるようご協力をお願いします。
 質問のある方、挙手をお願いします。
  
〇記者
 スマートムーブについてお伺いします。県庁職員の皆さんもマイカー通勤をされている方がいると思いますが、県民へのお手本という意味で、例えば10月のマイカー通勤率を半分にするなど、県庁での取組があれば教えてください。

〇知事
 県庁内での具体的な取組は担当部長から回答します。

〇環境エネルギー部長
 スマートムーブ通勤月間にあたりまして、当部では各部局に月に5日以上の参加を呼び掛けており、昨年度ベースで申し上げれば全体の約3分の2の職員が参加しています。
 本日の庁議でも、各部局長に参加の呼び掛けをしましたので、参加いただけるものと考えています。

〇知事
 私も何らかの対応をする場合には発表しますので、ぜひお付き合いください。

【質疑応答】
〇幹事社
 報告以外の案件に移りたいと思います。まず、幹事社から質問させていただきます。
 合計特殊出生率2以上を目指すための「青森モデル」と、養殖ホタテガイの安定生産や経営改善に向けた「陸奥湾ホタテガイ総合戦略」について、知事はいずれも10月中を目途に策定する方針を示しておりましたが、現在の検討状況についてお伺いします。

〇知事
 「青森モデル」については、8月に青森県こども未来県民会議の委員の皆さまと、取りまとめについて打ち合わせをしました。その結果を踏まえて、現在、最終調整中ですので、今月中には発表できるものと考えています。
 「陸奥湾ホタテガイ総合戦略」についても、「陸奥湾ホタテガイ総合戦略チーム」における検討結果等を提言書にまとめているところですので、こちらも今月中に戦略を策定し、発表するということで準備を進めています。

〇幹事社
 続いて各社からの質問とします。質問のある方は挙手をお願いします。

〇記者
 国政関連でいくつかお伺いします。
 昨日、新首相が指名されて新内閣が発足しました。今月27日の投開票で衆議院選が行われる見通しになっています。この選挙戦を通じて議論を深めてほしい政策分野がありましたらお願いします。

〇知事
 まだ各党、公約を発表していませんが、私としては、まず国家の根幹である政策についてしっかりと議論を深めていただき、結果が出るような政策を公約として掲げていただきたいと考えています。
 具体的には、やはり経済というのは私たちの暮らしに最も身近で大事ですので、中長期的には経済・財政をどのように運営していくのかということ、短期的には物価高騰対策にどのように取り組むのかがまず大事だと考えています。
 それに加えて、外交・防衛も本県にとって非常に重要なことですので、しっかりと議論を深めていただきたいと考えています。
 さらに、本県は農林水産県ですので、食の安全保障についても議論を深めていただきたいですし、またエネルギーの安全保障という分野についてもしっかりとした見通しを示しながら、各党が、公約にしっかりと掲げて論戦していただきたいと考えています。
 また、少し毛色は違いますが、政治の在り方ということが問われています。これまで失った政治への信頼をどのように取り返していくかということは、自民党だけではなく各党が前面に立って議論をすることだと私は考えています。

〇記者
 今、政治への信頼という話もありましたが、石破新首相は現行憲法下では首相就任から最短日程で衆議院選に臨むことになります。野党側から、論戦から逃げているのではないかという批判も上がっておりますが、石破氏自身も論戦を通じて国民に判断材料を示すという姿勢でしたので、それとの整合性が問われる事態になっているかと思います。
 今回の衆議院選の日程に関する総裁の判断について、思うところがあればお願いします。

〇知事
 総理就任前に解散を表明したことが良かったのかということについては、事実上、首相に首班指名されることが確定した状況でしたので、私はほぼ時差の問題だと考えていますが、そこをどう捉えるかは国民が選挙を通じて判断することです。
 党首討論も含めて、国会での議論が望ましいと私自身も考えますが、選挙戦も12日間という期間があるので、その中でしっかりと議論をしていただきたいと考えています。国民目線で見れば、誰がしっかりと発言しているかは見極められると考えています。
 明確なビジョンと具体的な成果が出る公約を出していただき、そこについての論戦が深まることに期待しています。

〇記者
 今回の衆議院選で、特定の政党や候補者を応援するお考えはありますでしょうか。

〇知事
 特にありません。

〇記者
 昨日、県議会の議会運営委員長が、県の執行部に対して、一般質問での執行部の答弁が簡潔すぎるので、もう少し詳しく答弁してもらいたいと、口頭での申し入れがありました。
 議会の答弁に関して、知事から、もっと簡潔にした方がいいという趣旨の指示があったのかというのと、この申し入れを受けて答弁の仕方を今後変えるというお考えはありますでしょうか。

〇知事
 簡潔にという指示は確かにしています。しかし、その趣旨は簡単にしてほしいという意味ではなく、聞いている県民の側から見て、より明確で分かりやすい答弁にするため、簡潔にするよう指示しました。
 私が就任して、最初に答弁を読んだ時、そもそも何に答えているかが明確ではない答弁が多いと感じました。質問は2~3行と短いのに対して、答弁は2~3ページにわたっており、聞かれたことのどこに答えているかがほとんど分かりませんでした。聞いている県民の皆さんにとって1対1対応で分かりやすい答弁にすべきですので、より簡潔に分かりやすく答弁できるように、これからも工夫していきたいと考えています。
 議会側から、どういう趣旨でそういうお話があったのでしょうか。

〇財務部長
 昨日の議会運営委員会終了後に、委員長の方から、まず今議会で数字の間違いが散見されるので、それについて気を付けてほしいということが1点。それから、議会の答弁は簡潔明瞭にと規則で決まってはいるが、少し簡潔すぎるのではないかということで、明瞭に答えることも併せてお願いしたいという申し入れがありましたので、財務部として各部局の方にその趣旨を伝えることとしたところです。

〇知事
 今の状況でしか、私はまだ理解できていませんが、数字の間違いなどはあってはならないことですので、適宜そこは修正していけば良いと考えています。どの点が簡潔すぎたのかなど、具体的にご指摘いただければ、そこはもちろん改善の余地があると考えています。
 大切なことは、もちろん県議会の議員の皆さまにとってということが前提ですが、県民の皆さまにとって分かりやすい1問1答であるべきだと考えていますので、議会規則に則って簡潔に答弁できるようにし、議員の側から見ても必要十分な回答になっているようにしたいと考えています。

〇記者
 衆議院選の質問に関連して伺います。先ほど、衆議院選で特定の政党や候補者を支持する考えは特にないとおっしゃいました。今回の選挙戦で、応援演説や集会等で特定の候補者のためにマイクを持つということも全くないのでしょうか。

〇知事
 特定の候補者を応援する、しないではなく、皆さんに頑張っていただきたいと考えています。私のスケジュールの関係もありますし、応援演説等をすることは考えていません。

〇記者
 政治家として今回の衆議院選は静観するというお考えなのでしょうか。

〇知事
 静観というより、皆さんにはそれぞれの主張をしっかりお示しいただきたいと考えています。

〇記者
 日本原燃の増田尚宏社長が、先日、役員報酬の自主返納を表明した際に、知事としては一定の答えと受け止めているとの認識をお示しした上で、報告はこれから受けるという段階でした。報告を受けられたのか、受けたとしたらその上で一定の答えだという認識にお変わりはないのでしょうか。

〇知事
 特別委員会の日に文書で報告を受けましたので、それ以上のことは特にありません。一定の答えであると受け止めています。

〇記者
 私からも国政の関係でお伺いします。昨日、石破内閣が組閣されて、地方創生担当大臣に伊東良孝さんがご就任されました。伊東さんは北海道の道議会議員や釧路市長を務められた経験もあり、地方行政に明るい方と思いますが、人選への受け止め等あればお聞かせください。

〇知事
 特にありません。結果を残してほしいということだけです。

〇記者
 昨日の石破総理の記者会見の中で、地方を守るというのが5つの大方針の中の1つとして示され、新しい地方経済・生活環境創生本部を創設すると明言がありました。石破政権の重点政策に地方創生が位置付けられたものと思います。
 ただ、昨夜打ち出された段階ですので、これまでと何が違うかというのはなかなか見えづらい部分がありますが、今後どういった議論や取組を期待されるか、青森県のトップとしてお願いします。

〇知事
 石破さんとは、石破さんが地方創生担当大臣の頃や、ジオパークの議連の会長を務めているということもあり、さまざまお話をお伺いする機会がありました。その際、常々人口減少については国家の有事だという高い危機感を持たれていて、しかも合計特殊出生率だけではなく、若者の定着・還流、移動率にも着目して、問題を正確に捉えられているという印象がありました。
 このため、そうした人口減少対策を国全体として進めていくことができるという意味では、私自身は大変期待しています。
 ただ一方で選挙があります。この政権が続くかどうかも選挙次第ですが、人口減少対策に国としてしっかり取り組んでいただくことに期待しています。

〇記者
 関連して昨日の首相会見で、石破さんご自身が初代の地方創生担当大臣を務められたことを踏まえて、国から地方への交付金が全然足りてないというご趣旨を示しておられましたので、今後、増える方向で検討されるのかなと推察されます。一方で、お金を配るだけだと不十分だというご指摘もあろうかと思いますが、知事として地方創生、国から地方への交付金の在り様について、何かお考えがあったらお伺いします。

〇知事
 交付金はいただけるだけありがたい部分はもちろんありますが、今までと同じやり方で取り組んでいてもなかなか人口減少は止まらないし、若者の定着・還流が進まなかったという事実もありますから、予算だけではなく、税制を含めたさまざまな制度そのものの在り方にも言及・追求しながら、新しい日本を創っていただきたいと考えています。

〇記者
 国民スポーツ大会について、開催まであと2年ということで、これまで、開催県が天皇杯や皇后杯を取るために選手の強化に取り組んできたかと思います。
 青森県として、ジュニア世代の強化や有力選手のハンティングなど、改めて国スポに向けて取り組むお考えがありましたらお願いします。

〇知事
 選手の強化については、国スポ開催が非常に大きなきっかけになっており、絶好のタイミングだと私自身も考えています。今年、予算も大きく増額して、各スポーツ団体に必要な強化費が行きわたるようにしています。その結果が出るように、各競技団体でしっかりと取り組んでいただきたいと考えています。
 国スポ開催県が天皇杯・皇后杯を取らなければならないということについては、知事会の中でもいろいろな議論があり、難しいだろうという意見もあります。
 県として天皇杯・皇后杯を取るという目標を立てるよりは、やはり個人や競技団体ごとにベストを尽くして、記録が更新されて、オリンピックなどその先の大会に向かっていけるような環境をしっかりと作っていく方が、私は大事だと考えています。

〇記者
 話は変わりまして、陸奥湾ホタテガイ総合戦略についてお伺いします。今年3月に骨子案を示されましたが、戦略の目指す10年後の姿として、若年層を中心とした新規就業者の安定確保という文言がありました。まだ明らかにできないところがあるかと思いますが、知事自身の後継者不足への思いをお聞かせください。

〇知事
 全産業で後継者が不足している状況ですが、特にホタテ産業は100億円を超える重大な産業であり、後継者不足は非常に大きな問題だと考えています。
 担い手を育成していく上で大切なことは、やはり所得と仕事に対する安定感、それから将来の見通しだと考えています。将来の見通しが明確になるように、県としてはしっかり研究をして、ラーバ(幼生)がたくさん陸奥湾の中にいる環境や栽苗器でホタテをたくさんキャッチできる環境を作り、高水温の時には適切な指導をし、安定的にホタテ漁が確保できる環境を作っていきます。
 また、その出口も大事であり、販路が一定の国だけだとナショナルリスクがあることが分かったので、全世界に販路を拡大していくことで、ホタテ産業が安定し、将来性があり、世界に向かっているという見通しが立てられます。そういう希望の持てるようなホタテガイ総合戦略にしていきたいと考えています。

〇記者
 それに関しまして、中国の禁輸措置の緩和表明ということで、これについてEUや香港・台湾への輸出の可能性もある中で、どのように受け止めていらっしゃいますでしょうか。

〇知事
 今回、私達が直接影響を受けることで、中国の考え方ややり方について、より理解が進んだと考えています。
 現状、輸入が再開しているわけではなく、これからどのように戻していくかを検討するという話なので、実際にいつ再開するかはまだ分からない状況です。
 そのため、中国一辺倒になるのではなく、世界的に青森県のホタテが販売される仕組み、流通づくりをしていく方が、先に向かっては非常に重要なことだと考えています。

〇記者
 エネルギー政策についてお伺いします。石破総理は原発依存度を低減させるというお考えをこれまでに示されていて、先月には、ゼロに近づけるとおっしゃったこともあります。
 この点について、知事のお考えをお聞かせください。

〇知事
 私自身は、これまで報道を通じて石破新総理が何を言っていたかということよりも、今後、核燃料サイクル協議会を通じて新政権の基本的な方針について確認することになっていますので、その時の回答で評価したいと考えています。

〇記者
 昨日、石破新首相が日米地位協定に関して改定に意欲を見せるお考えを示されました。知事もかねてより日米地位協定に関しては改定もあるのではないかとお話しされていましたが、今の新首相のお考えに対してどのようにお考えでしょうか。

〇知事
 戦後の日本の平和は、自衛隊のたゆみない活動の成果と日米同盟によって築かれたものだと認識しています。このため、日米同盟の重要性については、深く理解しているということは、まずお伝えさせていただきます。
 その一方で、基地と地域の在り方や米軍と地方自治体の向き合い方などに関しては、さまざまな環境変化が起こっています。本県においても、昨今の例では、三沢基地の騒音の課題やPFASの検出、女性に対する暴力事件などがありました。
 どのように民生の安定を図っていくかということは、情報がオープンになる時代になってきましたから、その在り方を見直さなければならないと考えています。
 その点は、石破新総理に大いに期待したいですし、地方と米軍の在り方などについて言及できるように取り組んでいただきたいと考えています。
  
〇記者
 話は変わって、統合新病院の建設に伴う県営スケート場の移転についてお伺いします。県議会の方で、利用状況などを踏まえて今後検討するという答弁がありました。
 今の時点で利用者数は減少傾向ということですが、例えば、縮小するとか、移転する際にどこかと複合施設にするですとか、決まっているお考えはありますでしょうか。
  
〇知事
 いろいろな報道があり、県民の方々も少し混乱している部分があるのではないかと考えています。
 私は統合新病院の問題については、しっかり落ち着いてこれからの議論を進めていきたいと考えています。これまでのさまざまな積み上げの中で、一番最近決まったのが整備場所の候補地です。候補地が決まったということで、これからしっかり丁寧に、住民の方々への説明を折に触れてしていきたいと思いますし、身近な住民の方々にはいろいろな心配事があると思いますので、生活環境が変わるわけではなく、自分の身体に何かあった時に頼りになる施設が身近に来るということを丁寧に説明していきたいと考えています。
 その中で、スケート場をはじめとする関連施設の移転や渋滞対策について、青森市長、青森市との打ち合わせはまだ進んでいませんので、10月から青森市と協議をスタートして、皆さんに今後の方向性を発表できる機会をしっかり作っていきたいと考えています。
  
〇記者
 先ほどの日米地位協定に関連してお伺いします。
 三沢基地がある青森県の知事として、改定するとしたらどんなことを求めたいかや、改定するプロセスにおいて地元の声を聴いてほしいですとか、そういう要望がありましたら教えてください。

〇知事
 米軍との関係は一方的になりがちだと考えています。突然、F-35Aに全部切り替えますや、何か月も前にこういう事件がありましたなど、コミュニケーションが不足していると思わざるを得ない部分がたくさんあります。
 世界のパワーバランスの中で、米軍が日本にいるということは非常に大きいことですので、知事も含めて知られてはいけない特定重要機密があることは理解していますが、やはり一方的ではなく、対話やコミュニケーションができる対等な立場になれるような地位協定であるべきだと、私は考えています。

〇記者
 首相に、改定のプロセスにおいて、例えば三沢に来てほしいなどの要望はありますか。

〇知事
 青森県の実情を知っていただく上で、三沢をはじめ、ぜひいろいろなところを見ていただきたいとは考えていますが、総理はお忙しいですからね。
 日本を代表して日米地位協定の改定にあたるということであれば、戦後始まって以来の大きな勝負を軍事大国であるアメリカとするということですから、日本人としての気概を持って頑張っていただきたいと、心から応援したいと考えています。

〇記者
 統合病院の候補地について、知事はもともと昨年9月に検討の見直しを表明した時は、まちづくりの観点からも検討が必要だということで、青森市が検討会議で検討をしてセントラルパークが挙がりました。結果的には災害拠点機能を優先する形でスケート場に決まりましたが、この1年間、まちづくりの観点から青森市が検討会議で検討した意義をどのように考えていらっしゃいますか。

〇知事
 かなりまちづくりの論点が出てきたのだと考えています。一つには、渋滞をどう処理するのかということも、季節を通じたまちづくりの観点であり、セントラルパークが街の拠点になるべきで、そこに駅をつくるべきだという話もありました。
 私たちのスケート場案は、セントラルパークから2キロぐらい離れてはいますが、環状線の内側であり、まちづくりの観点からもそれほど大きく外れる案ではないと考えています。まちづくりの観点からという意味では、検討会議の中でも、環状線の内側というのもあるのではないかという議論が出ていたことも含めると、意義のあるものだったと考えています。
 検討会議の皆さんには、後日改めて、私の方から直接、感謝の気持ちを伝えるとともに、最終的にスケート場案になったことについての説明は丁寧にさせていただきたいと考えています。

〇記者
 知事は昨年9月に見直しを表明したときは、それまでの議論が閉鎖的に行われてきたため、極力オープンにしたいとおっしゃっていて、有識者会議も検討会議もフルオープンで開催しました。一方で、最終的な知事と市長の会談が非公開になったことも含めて、県と市でどのような調整、協議をしたのか、決定するまでは必ずしもオープンではなかった点についてどうお考えでしょうか。

〇知事
 その点について、決定した際にどのような話をしたかについてはオープンにさせていただいたつもりです。皆さんの方で疑問があれば、その時々のお話を復元してお答えさせていただきます。

〇記者
 教育改革についてお伺いします。
 先日、教員と児童・生徒を対象としたアンケートの結果が出まして、教員に関しては半数程度改革の実感があると回答した一方で、児童・生徒に関しての授業内容であったり不登校などの項目に関してはあまり進んでいないといった数字が出ました。このあたりの受け止めをお願いいたします。

〇知事
 1年間という取組の期間はまだ経過していないので、まだ道半ばであると考えています。
 結果については、教育改革が行われていることを知っていたり、実感しているという方が50%以上いたということについては、私は少しほっとしています。
 これで終わりではなく、スタートしていない部分もまだあるので、これから来年度の予算でさらに大きく教育改革の事業を進めていきたいと考えています。
 現段階で執行率が低い事業もありますので、これから時間をかけて浸透していくと考えています。

〇記者
 まだ今年度も終わっていないところではありますが、教育分野に関して、来年度、重点的に力を入れたい項目など、今の時点で何か考えはありますでしょうか。

〇知事
 10月中に有識者会議からの提言があります。その中では、授業の改善をどのようにしていくのか、入試改革をどのようにしていくのか、そして人口減少下における高校の在り方をどのように考えていくのか、その3点がメインの提言になりますので、そのあたりと昨年からの提言の引き続きの事業を新しく構築していくことになると考えています。

〇記者
 教員数がいろいろなところで足りていないという声が出てきています。不登校児童・生徒への支援というところでも、教員数やスクールカウンセラーなどが適正に配置されていないというところで提言が先日ありました。
 こういった不足に関して、どのように改善していくかというところをお願いいたします。

〇知事
 その話については、教育庁と十分に共有をしており、まずは予算などの制約は考えずに本来やるべき教員像についてしっかり考えてほしいという投げかけをしています。
 その上で、募集してもなかなか来ない小学校の教員不足がある一方で、高校では教科によっては定員自体は充足していて、倍率が高くてなかなか合格できないという状況です。そのあたりの小中高のアンバランスをどうするのか、あるいは採用の在り方をどうするのかということについても考えた方がよいのではないかとお伝えしています。
 そのことについては、教育施策の大綱の中にも盛り込みたいと考えており、予算の中でも応援できる部分はしていきたいということは伝えていますので、教育の独立性を重視しながら、教員の不足に対する対応についてのアドバイスはさせていただいています。
 不登校の話は、また話が違っており、学校だけで対応できる問題ではなく、地域を挙げて取り組む課題だと考えています。

〇記者
 話題は変わりまして、宿泊税について知事のご意見をお伺いします。今、弘前市で導入の検討が進められていますが、他の地域では、県単位で導入したり、導入を検討したりする地域が多くなっています。青森県としての導入の可能性や、あるいは知事として宿泊税に対してどのようなご意見をお持ちか、お聞かせください。

〇知事
 まず青森県としては、現状、導入は考えていません。青森県の観光の状況を見ますと、冬の間の観光客が少ないことが課題になっており、税を掛けて新しくオーバーツーリズム対策をしなければならないという状況にはありませんので、今の時点では考えていません。
 弘前市では、市独自の課題解決のために導入を検討しているということでしょうから、特定納税義務者であるホテルの皆さんの理解を得て進めていただきたいと考えています。

〇記者
 りんごに関してお伺いします。昨年産のりんごの販売額が1,200億円を突破し、過去最高額となりました。
 過去最高額となったことに関する受け止めと、今回1,200億円を突破したのは、どちらかというと品薄になったことで価格が上がって、県民が一般消費で食べるようなものも軒並み高く上がってしまったというプラスの要因だけではないような背景もあったと思います。
 来年、りんご植栽150周年という節目でもあり、今、10年連続で販売額が1,000億円を突破している状況で、今後りんご産業を維持していくためにどういった取組が必要になるとお考えか、お聞かせ願えればと思います。

〇知事
 1,200億円を超えたことについての所感は、農家の皆さんに品質のよいりんごを作っていただいて、それを流通業者や市場関係者、販売の皆さんが一生懸命販売した結果であると考えていますので、非常に嬉しく思います。私は青森県民として、この産業が成長していることを誇りに思っています。
 その上で、りんごの店頭価格が上がってきているということに対しては、りんごを取るかみかんを取るかのような話になると、選ばれなくなってくるのではないかという心配もありますが、今のところそういう状況にはなっていませんので、そこまでの心配は不要だと考えています。
 150周年に向けたこれからの取組ということですが、りんご産業は農家一人ひとりの愛情に支えられた成長産業であるべきだと考えています。
 そういう意味では、まず結実対策が非常に重要になってくると考えています。気候変動の影響でマメコバチが減少したり、放任園が増えてきて周りから花粉が飛んでこない状況になると、結実率が低くなってしまいますので、結実対策が重要であると考えています。
 それに加えて、やはり省力化も大事で、省力樹形の開発として高密植わい化栽培がスタートしていますが、これを農家に押し付けるのではなく、チャレンジする農家にどんどん提供していけるように、苗木も含めた環境の整備をしていくことが大事だと考えています。
 最後は、どうしても人口減少が進んでいくので、放任園対策も重要です。やめていった園地をそのまま残してしまうと、モモシンクイガなどの害虫の影響が出ると考えているので、コンフュザーRの設置を支援してモモシングイガ被害の防止に取り組んでいます。また、それと同じようなイメージで抜根まで含めてしっかりと放任園対策に取り組むことで、新たなチャレンジをする源にもなってきますので、そうしたことが今後必要になってくると考えています。

〇記者
 りんご販売額が1,000億円突破を維持していく上で、今は生産者側の話を聞かせていただきましたが、輸出や販売に関する取組について何かありましたらお願いします。

〇知事
 やはり生産力を維持、強化しておいしいものを作ることが前提です。販売の方は、現在、台湾が中心となっており、現状4万トンベースで輸出していますので、さらに規模を拡大していくことが、価格を安定させていく上で重要だと考えています。
 農家の方々と会うと、自分のところは輸出していないから、何でそんなに輸出を頑張るのかという話もされますが、4万トンを輸出すると、自動的に国内の需要の方から4万トン抜けていくわけですから、国内で流通する分のりんごがその分を補うと、価格が安定することになります。ですから、輸出にも力を入れていかなければならないと考えています。
 販路という意味では、東京より西側は他県のりんごを食べている県が多く、青森のりんごを全国で広める上では西側の方も販路に加えていくことは非常に大事なことだと考えています。
 そのため、王林さん、ジョナゴールドさん、りんご娘を青森りんごアンバサダーに任命して、青森りんごの魅力をPRしていくこととしています。

〇記者
 日米地位協定についてお伺いします。
 米軍と地方自治体の在り方の見直しについてのお話がございましたが、青森県内で米軍のトラブルが起こるたびに問題視されているのが連絡の遅れだと思います。青森県はトラブルが起きるたびに連絡が入って、県から国を通じて要請をしてきた経緯もあると思います。
 この事件・事故の通報というのは1997年日米合同委員会に基づいて、できるだけ速やかにという合意に基づいていますが、これが履行されていない実態があります。青森県と米軍のコミュニケーションという意味では、この連絡体制というのが要素だと思いますが、この点、国に働きかけていくことについていかがでしょうか。

〇知事
 1997年の取り決めが守られていないということ自体が、そもそも日米地位協定の本質を露呈していると考えています。向こうは守らなくてよいものであると思っているということですが、そのようなことはありません。
 日米地位協定の本体に切り込むのであれば、日本とアメリカの、国と国との軍事的な在り方というものまでしっかりと考える機会にしていただきたいと考えています。必然的にその根幹の方が改められれば、通報が遅いなどの現象は起こらなくなってくると期待しています。

〇記者
 先ほど、民生の安定をどう考えるかの在り方は見直さないといけないとご発言されました。この在り方の見直しの具体的な手段として、知事としては日米地位協定を改定すべきだとお考えでしょうか。改定の必要性も含めてお聞かせください。

〇知事
 改定の必要性も含めて議論を進めてほしいということです。日米地位協定の、具体的にどこをどう変えてほしいということは、もう一度よく読みなおして、しっかり勉強していきます。

〇記者
 先ほど、石破政権における原子力政策の在り方について、核燃料サイクル協議会を通じて確認されたいということですが、10月27日の衆議院選のあとに確認されるというスケジュールでしょうか。

〇知事
 そのとおりです。

〇記者
 選挙応援の話が序盤の方でありましたが、改めて細かい部分をお伺いします。
 例えば、事務所に貼る為書きなどは候補者から頼まれれば出すのでしょうか。

〇知事
 もちろん、それは一般的に、お願いされれば出すこともあります。

〇記者
 事務所開きに直接足を運んだり、街頭でマイクを握ったりされる考えは、今のところないということでしょうか。

〇知事
 今のところはないです。

〇幹事社
 これで定例会見を終わりたいと思います。
 最後に知事からお願いします。

〇知事
 YouTubeチャンネル「青森県知事の新時代ちゃんねるA-Tube」のチャンネル登録者数がまもなく1万人になりそうです。開設して1年を迎えるにあたって、多くの皆さんに登録していただいて、ご視聴いただいており、大変ありがたく思っています。
 県内のいい所や食の素晴らしさをPRしたり、政策で少し誤解があるようなところは再発信をして皆さんの理解を深めていくということをやりたいと考えていましたが、なかなか時間が追い付いていないと言い訳をしながらも、これからもよりよいチャンネルにしていきたいと考えていますので、ぜひ周りの方々にもチャンネル登録を勧めていただいて、そしてご視聴ください。
 皆さん、今日も最後までありがとうございました。

過去の記者会見録

令和6年度 令和5年度 令和4年度 令和3年度 令和2年度 平成31年度(令和元年度) 平成30年度  平成29年度  平成28年度  平成27年度  平成26年度  平成25年度  平成24年度  平成23年度  平成22年度  平成21年度  平成20年度  平成19年度  平成18年度  平成17年度  平成16年度 

この記事をシェアする

  • facebookでシェアする
  • Xでシェアする
  • LINEでシェアする

フォローする

  • facebookでフォローする
  • Xでフォローする