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更新日付:2024年8月6日 広報広聴課

知事記者会見(定例記者会見)/令和6年7月2日/庁議報告ほか

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知事記者会見録

会見日時:令和6年7月2日火曜日 11時00分~12時00分
会見場所:県庁西棟889会議室
会見者:宮下知事

○幹事社
 ただ今から定例記者会見を始めます。
 まずは知事から、報告案件の発表をお願いします。

○知事
【「#あおばなオンライン」の開催について】
 本日、19時からYouTubeチャンネル「青森県知事の新時代ちゃんねるA-Tube」にて、初となるオンライン対話集会「#あおばなオンライン」を開催します。まずはチャンネル登録をよろしくお願いします。
 ライブ配信をしながら、YouTubeのチャット機能を使用して、県民の皆さまからのご意見やご質問にお答えします。今回は、初回ということで特にテーマを設けず、県民の皆さまの不安や現状、未来を変える提案について、広くご意見をお伺いしたいと考えています。
 ご視聴のみでも参加可能ですので、皆さまの参加をお待ちしています。
 開催意義等については、ご質問に応じてお答えさせていただきます。

【道路事業に係るアウトカム指標の公表について】
 今年2月に「インフラ整備完成目標」を公表したところですが、今回新たに、道路事業に係る13のアウトカム指標を整理しましたので、お知らせします。
 今回公表する指標は、道路事業の進捗状況を「見える化」するため、県民の皆さまの関心が高い「雪国」をはじめ、高規格道路の整備による「交流・物流支援」など、5つの観点から整備しています。ご覧の数字は、青森県基本計画の計画期間である「2028年度(令和10年度)」および20年後の「2043年度(令和25年度)」における目標値となっています。
 例えば、「雪国」では、通学路歩道除雪カバー率を2043年度までに100%、除排雪のDX活用率を2028年度までに100%を目指します。
 「交流・物流」では、高規格道路整備率を2028年度までに76%、2043年度までに100%、3次医療圏内人口カバー率を2043年度までに93.1%にするという目標を立てています。
 その他、通学路安全対策率は、警察や学校関係者と合同で実施した点検の結果、対策が必要とされた箇所に対する実施状況を示したものです。現状28.9%ですが、2028年度までに84.2%、2043年度までに100%という目標を立てています。
 また、舗装点検DX活用率は、点検や管理にICTの活用を進めていくもので、2028年度までに100%の導入を目指すこととしています。
 「自然環境」では、奥入瀬渓流におけるCO2削減率を2028年度までに現状より10%ほど伸ばした上で、2043年度までに100%、主要渋滞箇所解消率を現状8.2%のところを2028年度までに13.3%、2043年度までに38%とするという目標を立てています。
 今後も、県民の皆さまにより分かりやすく、希望を持ってもらえるようなインフラ整備に努めてまいります。
 アウトカム指標、設定の意義等については、ご質問に応じてお答えさせていただきます。

【海溝型地震に係る地震・津波避難訓練等について】
 本年11月、地震・津波避難訓練と「防災ウィーク」を、県を挙げて実施します。
 令和3年度に県が行った地震・津波被害想定調査によると、冬の18時に太平洋側で巨大地震が発生した場合、最大で、約11万棟の建物が全壊、約5万3千人の死者数、約31万人の避難者数が予測されています。その他、県全体で大規模なライフラインの停止や支障が予測され、極めて深刻な被害想定となっています。
 こうしたことを踏まえ、11月15日金曜日に、本県に大きな被害をもたらす「日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震」を想定した訓練を、県と全市町村合同で実施することとしました。
 訓練内容は、まず「シェイクアウト訓練(身体保護訓練)」、これは極めて初歩的な訓練になりますが、防災無線などのアナウンスを合図に、机の下に潜るなどの「身を守る行動」を取っていただくものです。
 2つ目は「情報伝達訓練」、県と市町村間をオンラインでネットワーク化して、避難情報等の伝達を速やかに行うことが可能かどうか、改めて実施したいと考えています。
 3つ目は「津波避難訓練」、津波避難対策特別強化地域に指定されている22市町村において、住民等が避難訓練を行うものです。
 これらについては、おおむね市町村のご理解をいただいているところですが、津波避難訓練については他の日の方が都合が良いといった場合もあることを考慮し、11月15日の前後に実施期間を設けることも想定しています。なお、本訓練は11月15日から始まる陸上自衛隊の訓練「みちのくアラート2024」と連携し、実施することとしています。
 大規模災害発生時における迅速かつ的確な対応を、訓練を通じて理解していくことを目的にしたいと考えています。
 また、県全体としての防災意識の高揚を図るため「防災ウィーク」を設定し、一人でも多くの県民の皆さまにご参加いただきたいと考えています。
 このため、11月15日を含む一定期間を(仮称)「防災ウィーク」として設定して、メディアの皆さまにもご協力いただいた啓発キャンペーンなどを行う予定です。
 県民の皆さまにお願いしたいことといたしまして、1つ目は「シェイクアウト訓練」および「津波避難訓練」に可能でしたらご参加いただきたいということと、この訓練に参加できない方におかれましても、各家庭や事業所において、できる範囲で防災に関する取り組みを実施していただきたいと考えています。
 2つ目、やはり自助・共助が大事になりますので、各家庭や事業所において、備蓄物資の確認をお願いします。
 3つ目、これも自助・共助という部分では非常に大事になりますので、避難所までのルートの確認をお願いします。
 これらの取り組みを、この「防災ウィーク」で実施して、来たるべき災害を自分事化して、県内全域で取り組んでいきたいと考えていますので、よろしくお願いします。
 今後、県民の皆さまや事業所の方々が参加しやすくなるよう、訓練内容の検討を進めます。さまざまな広報媒体を活用し、メディアの皆さまにもご協力いただきたいと考えていますので、よろしくお願いします。

【質疑応答(報告案件について)】
○幹事社
 それでは、ただ今の報告に対する各社からの質問といたしますが、質問は簡潔に、そして重複しないように、ご協力をお願いします。それでは、質問のある社は挙手をお願いします。

○記者
 道路事業のアウトカム指標について、こういった目標を、時期なども含めて明示することの意義をどのようにお考えか、お伺いします。

○知事
 道路インフラはまさに経済インフラだと考えていますので、供用目標やこうしたアウトカム指標を提示することは、地域にとって先々の希望につながり、そして地域の活力や地域振興につながるものだと考えていますので、今回公表することといたしました。

○記者
 もう1点、通学路に関しては、市町村道も通学路になっていると思います。あくまで県管理道路に関してだけなのか、それとも市町村道も含めた対応なのか、どういう見通しでしょうか。

○知事
 県の目標ですので、あくまで県道が対象になります。

○記者
 関連してアウトカム指標について伺います。2028年度と2043年度それぞれの目標値が掲げられていますが、どのような計算に基づいてこのような数値を出されたのでしょうか。

○知事
 事業の進捗に当たっては、用地の買収から始まり、測量設計、施工というものが基本的な事業のフローになります。そうした中で予算を確保しながら取り組み、持続可能な財政運営とも連動した形で実施することになります。その積み上げがこの数字につながっているとご理解ください。

○記者
 もう1点お伺いしますが、この中でDXという文字が見えるものに関しては、2022年度から2028年度の目標が、0%から100%と高い数値になっていますが、これはどのようなお考えでしょうか。

○知事
 現場の人手不足という課題があるため、このように高い目標を立てないと事業がうまく進捗しないということもありますので、生産性を向上させながら、こうした事業を進めていく内容だとご理解ください。

○記者
 報告3点目の訓練の関係で、シェイクアウト訓練についてお伺いします。こちら各家庭の参加も募るということですが、11月15日の都合の良い時間に各家庭での訓練をお願いするものなのか、それとも防災無線やテレビ生配信を使って、県内全域で同時に訓練を実施するのか、その辺りを教えてください。

○知事
 基本的には、防災無線等を通じて、同じ時間に一斉に実施することを考えています。その詳細については、これから発表していきます。

○記者
 関連してお伺いします。こういった県の訓練で、県民全体を巻き込むものはこれまでなかったと思いますが、今回こういう体制にしたのは、どういう意義があるのでしょうか。

○知事
 被害想定では、県内全域で約11万棟の建物が全壊、約5万3千人の死者数、約31万人の避難者数、そして、大規模なライフラインの停止や支障が想定されています。このように、最悪の状況を想定して準備しなければ、なかなか乗り越えられない大きな災害になる可能性があり、県全体の防災意識の向上から始めて、備蓄や施設整備も含めて行っていく必要があるので、県民の意識向上、自分事化から取り組むために、今回このような訓練を実施します。
 公約の中では22市町村の共同訓練としていましたが、40市町村で実施することとしています。応援体制、受援体制も含めて、このような災害の時は、みんなで助け合った方が、人命救助から復旧復興までスムーズな流れになると考えていますので、全県での対応とさせていただきました。

○記者
 「#あおばなオンライン」についてお伺いします。今回オンラインで開催することの意義を教えてください。

○知事
 対話集会は、全ての県民の皆さまに等しく公開され、開かれた環境の中でやるべきだと考えています。
 一方、公募での実施だと、日程の都合上、ご応募いただいた全ての団体との実施は難しく、いろいろな意見を直接知事に伝えたいという方はまだ多くいらっしゃるのだろうと、対話集会を繰り返し実施する中で考えています。
 また、オンラインの方が話しやすいという方もいらっしゃると思いますので、県政を身近に感じていただきたいという観点からも、今回オンラインで開催することとしました。

○記者
 関連して、細かい所ですが、この対話集会は夜の7時から始まって、どれくらいの時間やって、質問はどういう形で選ぶのでしょうか。

○知事
 時間は1時間を予定しています。質問をコメント欄に書いていただく形式にして、その中から職員がバランスよくさまざまな話題を選定します。その質問を私が読み上げて、お答えするというスタイルで考えています。

○記者
 アウトカム指標の話題に戻りまして、除排雪のDX活用率の目標が2028年度までに100%とのことですが、どのような内容で除排雪の効率化が期待できるのでしょうか。

○知事
 除排雪の機械にGPS等を導入して、どのように除排雪しているかを管理できるようにすると、当該エリアでどのくらい時間がかかっているのか、燃費がどのくらいかなどを計測できるようになります。それによって、ある地区では50ぐらいの力で作業しているのが、ある地区では同じ距離に150ぐらいの力がかかっているということが分かるようになり、技術力を平準化することができます。きちんと除雪できているかは、実際に通行した人しか分かりません。もちろん県はパトロールしますが、仮に不足しているところがあったとしても直せるのは次の日になってしまいます。
 DXを推進して、それを管理することができるようになると、除雪の技術が平準化され、(最終的には)全県で高い水準で除排雪ができるようになることを、私は大いに期待しています。
 また、生産性を向上させ、人手不足にも対応できるような環境を作っていきたいと考えています。

○記者
 防災ウィークの話題に戻りまして、自衛隊との連携というお話がありましたが、その連携について、どのようなイメージなのかというのと、この11月15日というのは、何か意味がある日付なのか、あるいは調整の結果なのか伺います。

○知事
 防災訓練の時には、常に自衛隊と連携していますので、アラートそのものの訓練と連動するということがまずひとつで、詳細についてはこれから決めていきます。
 訓練の日付については、さまざまな調整の上で設定したものですが、11月5日は1854年に安政南海地震が発生した日であり、「津波防災の日」と定められています。これと連動した形で実施したいという思いがあり、11月にしました。

○記者
 13のアウトカム指標について、それぞれの分野を並行して進めていくかと思いますが、知事の中で特に重要視しているものはありますか。

○知事
 やはり除雪です。雪が多いと、私たちの生活に支障が出るので、なんとかいい形で片付けることが、青森で暮らしていく上で非常に大事だと考えているので、この除排雪DX活用率と通学路歩道除雪カバー率の目標は、ぜひとも達成したいと考えています。

○幹事社
 次に報告以外の案件に対する質問に移ります。まず私の方から質問させていただきます。
 使用済燃料中間貯蔵施設に関して、本日、午後から県内6箇所での県民説明会が予定されています。幅広い意見や指摘、要望等が出されることが予想されますが、こうした県民の声を安全協定書にどのように反映させていくのか、お聞かせ願います。

○知事
 本日の県民説明会には、私も参加させていただきます。今後、県民説明会の中で、さまざまな論点が出てくると考えていますので、そうしたことについて、ひとつずつ丁寧に私自身の中で理解を深める材料とさせていただきます。

○幹事社
 続いて各社からの質問といたしますが、質問は簡潔に重複しないようにご協力をお願いいたします。それでは、質問のある社は挙手をお願いいたします。

○記者
 中間貯蔵の関連でお伺いします。今日からの説明会ですが、知事はどんなことを念頭に置いて説明会に臨まれるのかをお聞かせください。

○知事
 虚心坦懐に、県民の皆さまのご意見を聞くことだと理解しています。

○記者
 説明会を終えた後に、知事が総合判断されると思いますが、その時期について、想定はありますか。

○知事
 特にありません。皆さまからいただいたご意見をしっかりと整理して、判断したいと考えています。

○記者
 関連して、中間貯蔵を巡っては、もっと国の主体的な関わりがあってもいいのではないかという声を聴きますが、最長50年での燃料の県外搬出を担保するために、国の関わり方について、知事はどのようにお考えかお聞かせください。

○知事
 国が主体的に関わっているからこそ、説明会にも参加していただいていると理解しています。

○記者
 説明会の時間帯について、基本的に日中の開催で、お仕事されている方は、なかなか参加しづらい時間帯かと思いますが、この時間帯に設定された理由があればお聞かせください。

○知事
 特にありません。開催の1か月前にはアナウンスしていますので、ご意見のある方は、調整していただけるものと考えています。

○記者
 話題変わりまして、東京都知事選について、今選挙戦真っ最中で、熱戦繰り広げられていますが、知事として新しい東京都知事に期待することがあれば教えてください。

○知事
 他地域の選挙について私が語るべきではなく、それぞれの有権者の方が判断すべきことだと考えています。選挙の在り方等についてはさまざまありますが、今のご質問についてはそのようにお答えさせていただきます。

○知事
 私からも質問があります。今日の新聞に核燃半島と書いていましたが、これはどういう趣旨で書いたのでしょうか。

○記者
 社として改めてお答えさせていただきます。

○記者
 中間貯蔵に関連してお伺いします。先日、県議会各会派から中間貯蔵の安全協定に対して知事宛てに意見書が出されました。搬出に関して覚書を結んではどうかという提案もございましたが、知事として覚書の締結に関するご認識をお聞かせください。

○知事
 覚書の内容についてもご示唆いただいていますので、どのような形がふさわしいのかを検討している状況です。
 これからまた県民の皆さまからご意見をお伺いする機会もありますので、そうしたことを総合的に考えて、最終的に覚書も含めて判断するとご理解ください。

○記者
 関連しまして、覚書の必要性について、現状知事として必要だというお考えがあるのか、またその場合、事業が途中で困難になった場合に搬出するものの担保なのか、50年後の搬出先を担保する意味合いでのものなのか、併せてお聞かせください。

○知事
 覚書が必要なのかということについては、議論を重ねているところです。そもそも覚書を締結するということは、やることを前提にしているわけですが、締結するかどうかも判断の過程でありますので、覚書の必要性について先に申し上げるタイミングではないとご理解ください。

○記者
 関連しまして、今知事のおっしゃったタイミングというのは、覚書も締結するのであれば、安全協定案の締結と同時になるということでしょうか。

○知事
 仮定の話はまだできないので、覚書を締結した方が良いのかというのは、最終的な判断があってからの話なので、まだそこに至っていないとご理解ください。

○記者
 中間貯蔵について、論点のひとつとされていた再処理事業との整合性についてお伺いします。市議会や県議会での議論では、事業者の方から搬出時点に稼働している再処理工場があるため問題ないという見解が示されていました。
 知事が3月に、事業者の方にその辺の論点も整理してほしいとおっしゃったので、それに対する答えとして、そういった見解が示されたと捉えていますが、事業者側、あるいは国側の説明に対して、知事は現段階でご納得されていますでしょうか。

○知事
 私の考え方は少し違っていて、前回のエネルギー基本計画の改定の際に、むつ市がエネ庁に確認し、搬出先については、その時動いている再処理工場だというところまでは、言質を取っています。当初は、第二再処理工場への搬出が検討されていましたが、震災後に第二再処理工場の記述がなくなったため、搬出先がないのではないかということを、確認したものです。
 説明が変わったというよりは、むしろ説明が段階的に深まってきて、現実味のある方向にシフトしてきていると私は理解しています。

○記者
 整合性の捉え方もいくつかあるかと思いますが、かつては事業開始時点のタイミングについて、ある程度同時期になった方がいいのではないか、あるいは再処理工場の方が先であるべきではないかというのは、共通認識としてそのような形が望ましいということを、県も国も事業所も持っていたと思いますが、そもそもむつ市長時代から事業開始時期にこだわるというご認識はなかったということでしょうか。

○知事
 それに関しても認識の違いがあります。中間貯蔵施設に使用済燃料が運びこまれる際に、それを運び出す第二再処理工場が完成しているという前提ではありませんでした。
 その状況は当時から変わっていないので、事業開始の時点で再処理工場があるのが理想的ですが、元々そのような施設ではなかったと私は理解しています。

○記者
 話題戻りまして、本日から始まる県民説明会についてお伺いします。先ほどのご質問にもありましたが、説明会は全て平日の日中の時間とのことで、改めてどういう整理をされて、この期日や時間を設定したのか教えてください。

○知事
 会場との関係でこの日程になっただけであり、土日は出席者が多いので避けているということは決してありません。早めに日時を設定してお知らせしているので、そのことについて指摘されるのは、想定の範囲外です。

○記者
 むつ市では、今週末の土日に計3箇所で独自に説明会を開催されます。地元でそういう丁寧な対応をするということなので、今回せっかく立地地域以外でも開催するので、もう少し時間的余裕を持たせて、土日も含めて開催したらいいのではないかと思ったのですが。

○知事
 土日に働いている方もたくさんいらっしゃいますので、いつ開催しても不十分だと言われる可能性はあります。繰り返しになりますが、約1か月前に日時を設定してお知らせしており、ご意見のある方が来ることができる環境を作っていますので、そこまで問題のある開催時期の設定ではないと考えています。

○記者
 八甲田のクマについてお伺いします。先日、山岳連盟の方々から、観光を含めた影響への懸念が出ていて、駆除に対して強い要望がありました。観光等への影響について、今どのように認識されていますでしょうか。
 また、今、駆除等に皆さん全力で動いているとは思いますが、そもそもクマ対策を抜本的に体制を強化するというお考えはありますでしょうか。

○知事
 観光への影響は避けられないと考えていますので、これを最小限にするために、当該クマを駆除するため、青森市が箱わなを設置しています。駆除にあたっての技術的指導等については、県も関係機関と力を合わせてやっていきたいと考えています。
 山にクマがいることは当たり前で、クマもその生態系のひとつを成しているため、徹底して駆除することはできません。一方で、人も山からさまざまな自然の恵みを得たり、山に行くことで心の安らぎを得たりしているので、お互いが共存できる関係を作ることが大事だと考えています。今、クマが何百頭いて、それが何群いて、どれぐらいの生活域で活動しているのか、実はあまり正確に分かっていません。そのため、今年は、八甲田も含め県内のクマが多くいる地点において、生態調査を行うところからスタートする必要があります。
 クマが全国的に話題になって、特定鳥獣にも指定されていますので、まず基礎的な調査をしっかりと固めて、そのエビデンスに基づく政策が実行できる環境を作ることが抜本的対策の一つだと理解しています。

○記者
 生態系の調査をした上で計画を立てて、国からの交付金を受けながら、市町村とも連携して対策していくことになると思いますが、その計画等の策定について、どのようなスケジュール感をお持ちでしょうか。

○知事
 調査そのものは秋まで実施するので、年単位の時間がかかると考えています。雪が降る頃にはクマは冬眠しますので、活動しない期間に状況をしっかり取りまとめて、来年度の本格的な対策に生かしていきます。

○記者
 能登半島地震から昨日で半年となりました。発生当初から、半島地形特有の対応の難しさや課題が指摘されており、青森県にとっても他人ごとではないとのご認識を知事も示しておりました。半年経過して、発災直後の対応という観点に加え、復興計画を作り進める中でも、半島あるいは過疎地域特有の難しさというのも見えつつあります。
 こうした点を踏まえて、青森県における半島災害への備えという意味で、半年が経過した現時点での知事の課題認識を伺います。

○知事
 先週、石川県志賀町に派遣していた県職員と市町村職員の帰着報告がありました。その報告を聞いて、涙が出ました。復興が進んでいない様子で、本当に国家を挙げて復旧復興しているのかと感じました。これは報道機関も含め、全ての人に責任があると考えています。大変な状況にあるということが報道されなくなってきています。みんなが関心を持たなくなることが、半島で何かが起こった時の課題であると考えています。
 だから私たちは、これからも能登から応援要請があれば、県も市町村も力を合わせて自分のこととして、応援に行きたいと考えています。帰着報告の時、派遣職員には、能登の応援をしてきたのと同時に、青森県の未来を応援してきたのだということを伝えました。
 復旧・復興を進めていくにあたっては、DXが全然進んでいないことが課題だと考えています。家屋調査を行った人たちからは、明らかに全壊なのに全てチェックしなければならないため、ドローンで上空から面的に見て一気に認定できる仕組みを作れないかなどのさまざまなご意見がありました。そういうことが出来る環境を、我々もきちんと作らなければなりませんし、能登で今起こっていることといえば、やはり復旧のスピードが足りなかったと、だから受援体制、それから備蓄についてしっかり取り組む必要があると、改めて痛切に感じています。

○記者
 話題変わって、国スポの関係で伺います。2か月前の会見で知事のご所見をお述べいただきましたが、一連の在り方に対する指摘の議論を踏まえて、日本スポーツ協会が、国スポの在り方を議論する有識者会議を開く方向となりました。
 これに対する受け止めと、第1回の会合が8月から9月に予定されているようですが、どういった議論を期待するかというところをお聞かせください。

○知事
 有識者会議を開催することについては、今までの流れからいって当然のことだと考えていますし、会議の中身について期待することは、各県が独自に費用を低減する施策を後押ししてほしいと考えています。
 毎年開催している行事で、隣の県が実施したものを本県でも実施しなければならないという同調圧力が働くと、大会運営で同じような財政支出が求められます。施設など青森県に残るものや、ジュニアアスリートの支援であれば、この機会にしっかり取り組みます。大会運営に多額の経費が求められる部分がありますので、そういったところは、どんどん削減できる環境を作ってほしいと考えています。

○記者
 クマの話に戻って恐縮ですが、先ほどのお話の中で、観光への影響は避けられないとのことですが、その観光への影響というのは、当該クマが出た周辺の地域の観光への影響なのか、あるいは県全体の登山など、アウトドアのシーズンへの影響というものを想定されているのかをお伺いします。

○知事
 少なくとも近隣の地域には影響があるだろうと考えています。全県に影響があるかどうかということは、現時点では分かりません。

○記者
 クマに注意しつつも、ただ観光は大事にしたいものだとは思いますが、全県的な他の地域への観光、登山シーズンを迎えるにあたって、県民や県外から来る方に向けて、どのような呼びかけをなさるのでしょうか。

○知事
 少なくとも、入山規制があるエリアについては、絶対に入山しないということをお願いします。県は、クマが出没した地点のマップを公表していますので、入山規制以外の山に入る際には、必ずマップを確認してから入ってください。安全にトレッキングできるエリアはまだたくさんありますので、クマや山の事故に十分注意しながら、県民の皆さまも県外からの皆さまも青森県の自然を楽しんでいただきたいと考えています。

○記者
 話題が変わって、知事就任1年ということで、各社の取材にさまざまお答えいただいているとは思いますが、改めてこの定例会見の場で、今後の抱負や、どのような県政運営をしていきたいかを伺えますでしょうか。

○知事
 1年間、本当に多くの県民の皆さまに励まされ、応援され、そして支援を受け、ここまで業務を遂行することができました。対話を重ねるごとに、青森県の奥行きを感じながら、知事として仕事をさせていただいています。
 これからも、対話を重視する姿勢をしっかりと貫いて、青森大変革、県庁大改革にまい進していきたいと考えています。

○記者
 県内全ての大学やさまざまな経済団体を集めた協議会の設置に関して、7月を予定していたと思いますが、具体のスケジュールについてはいかがでしょうか。

○知事
 7月29日に、第1回の会合を開催する予定です。

○記者
 改めてになりますが、どういった組織が参加するのでしょうか。

○知事
 県内の全大学と商工団体が基本になります。あとは大学所在の市という形で、招集させていただきます。

○記者
 その協議会の中で、高卒者や大卒者の県内定着・還流施策の立案に向けて議論を進めていくと思いますが、それぞれの自由意志なので、若い方々を無理に県内に留めることもできないかと思います。
 そうした中で、基本的な考え方として、どのように定着に向けた施策を進めていくのかの考え方について、お伺いできればと思います。

○知事
 徹底して、環境を作ることに尽きると考えています。おっしゃるように、無理に連れてきたり、留めたりということはできないので、まずは若い人たちが青森県内に定着できる環境にあるのかを、解きほぐしていく必要があります。
 東京は所得が高いから出て行ってしまうとか、東京にはイベントや施設が多いから出て行ってしまうということが言われていますが、果たして県内の企業がどれだけPRできているのでしょうか。求人情報サイトなどで検索して仕事を探す大学生も多いかと思いますが、検索したときに青森県の会社がどのくらい出てくるのか、県内の企業がホームページにどのような採用情報を載せているのか、採用情報の中で先輩たちが生き生きと活躍している姿が見られるかなど、細かいところから環境作りを進めていくことが大事であり、その辺に政策の種があると考えています。

○記者
 あくまで、現時点でということで結構ですが、その時にキーとなる切り口について、今、所得のお話が出ましたけれども、その他にどういう観点が考えられますか。

○知事
 働く環境だと考えています。役割が固定化されていたり、女性が活躍できなかったり、育休や産休が取れないような会社は、もう若い人たちから選ばれない。県内の企業の皆さんとよく議論を深めて、そういう環境を作るお手伝いをしていきたいと考えています。また、大学には、県内にそのような企業があることをしっかり学生に伝えていただきたいと考えています。

○記者
 クマの話題に戻るのですが、国の指定管理鳥獣にクマが追加されて、クマの捕獲や生態調査に国の交付金を使えるという立てつけができました。ただ、これを活用するためには、県の特定鳥獣管理計画が必要になります。クマが生息している都道府県で唯一この計画がないのが青森県だったと記憶していますが、策定状況がどうなっているのかと、このクマの管理計画について、知事の必要性どのように捉えてらっしゃるのかをお願いします。

○知事
 部長からお答えします。

○環境エネルギー部長
 全国の状況について、資料が手元にございませんので、後ほどお答えします。
 管理計画については、生息数などの基礎調査を経た上で策定することになりますので、これからということになります。

○知事
 今回事故があったからということよりも、新たに国の指定があって、全国で人を襲うようになっているということもありますので、その辺はしっかりとスピード感を持って作ることが大事だと考えています。

○記者
 アメリカ軍三沢基地近くのため池から検出された高濃度のPFASについてお伺いします。アメリカ軍に起因する可能性が高いという見方を示していらっしゃいますが、アメリカ軍からの情報提供についての防衛省からの回答状況をお聞かせいただけますか。

○知事
 6月3日に東北防衛局の方に投げかけましたが、現状まだ回答いただいていない状況です。

○記者
 引き続き知事からの要請というのはございますでしょうか。

○知事
 県選出の国会議員との席上でも、環境副大臣に申し上げておりますし、また防衛省の方にも、引き続き回答をいただけるように取り組んでいきたいと考えています。
 ただ、環境基準が暫定値ということなので、まず環境省がPFASの基準を決めるところからスタートする必要があると考えています。
 一方で、五川目堤で検出された原因については、防衛省の方でしっかりと明らかにしていただきたいと考えています。

○幹事社
 それでは、最後に知事からお願いいたします。

○知事
 就任1年になりました。先ほど質問の中でもありましたが、これからも県民の皆さまとの対話を重視して、その中から青森県政の新たな課題を見いだして、スピード感をもってどんどん実行していくという姿を、さまざまなメディアを通じて、発信していきたいと考えています。
 さらにスピード感をもって加速化させて、いい青森県政にしていきたいと考えていますので、よろしくお願いいたします。
 今日も最後までご視聴ありがとうございました。皆さんもありがとうございました。

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