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更新日付:2024年8月22日 広報広聴課

知事記者会見(定例記者会見)/令和6年7月30日/庁議報告ほか

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知事記者会見録

会見日時:令和6年7月30日火曜日 11時00分~12時00分
会見場所:県庁西棟889会議室
会見者:宮下知事

○幹事社
 ただ今から定例記者会見を始めます。
 まずは、知事から報告をお願いいたします。

○知事
【DX関連イベントの開催について】
 人口減少、若者の県外流出が本県の最大の課題の一つであるということは、言うまでもありません。若者の定着・還流のためにも、県内企業の生産性の向上は必須です。その柱となるのがDXであると私たちは考えています。本年9月から11月にかけて、Action!「あおもりDX」プロモーションとして、DX推進に向けた3つのイベントを連続開催します。9月は県内企業向け、10月は市町村職員向け、11月は一般の方向けの内容を予定しています。
 1回目となる「産業DX推進フォーラム」は、9月3日火曜日に開催します。中小企業のデジタル化経営に取り組んでおられる桜美林大学の坂田教授による基調講演や、県内企業による事例紹介のほか、私も「変革への翼、DX」と題し、プレゼンテーションを行う予定です。企業経営者の皆さまに役立つ内容となっており、オンライン参加も可能ですので奮ってご参加ください。
 また、8月からは、「青森県DX総合窓口」のPR動画を、YouTube広告等で配信する予定としています。
 県内企業の皆さまにおかれましては、フォーラム等への参加や、DX総合窓口への相談を契機として、積極的にDXに取り組んでいただきますようお願い申し上げます。

【県庁業務の「ゼロFAX」推進について】
 県全体にDXの推進とデジタル化を図っていく上では、まず私たち自らが率先して取り組む必要があります。今般、県庁スマートワーク推進の一環として、新たに県庁業務の「ゼロFAX」を推進することといたします。
 この方針の検討に当たって、県におけるFAXの使用状況について調査しました。
 その結果、送信件数1,000件以上が全体の約16%、受信件数1,000件以上が全体の約28%となっています。平日1日当たりに換算すると約6件となりますので、FAXは依然として庁内で利用されているものの、送受信件数そのものは少ない状況です。
 こうした結果も踏まえ、県では、県庁業務の「ゼロFAX」を推進することとしました。災害時における対応など、やむを得ない場合を除いて、県側の送受信の電子化・ペーパーレス化を進めます。
 このことにより、庁内のペーパーレス化、行政手続きのオンライン化の推進、時間や場所にとらわれない多様な働き方の推進などにつなげていきたいと考えています。
 具体的には、FAX以外の手段で代替可能なものについては、メールなどへ速やかに置き換えます。ただし、県の内部方針等の改正が必要なものについては、改正手続き後に置き換えていきます。相手方が、FAXでなければ対応できない場合については、県側のFAX機の機能活用により、県側の送受信のペーパーレス化を徹底していきます。これらについては、年度内をめどに進めていきたいと考えています。
 具体的なイメージですが、県側のFAX機の、紙を使わずにパソコン上で送信したり、紙を排出せずに受信したりする機能を活用し、取組を進めていきます。
 県民の皆さまには、県の「ゼロFAX」推進の取組にご理解いただき、県への手続きや連絡には、電子申請やメールなどを利用していただくようご協力をお願いします。
 また、「青森県DX総合窓口」でも、デジタル活用のご相談を承っていますので、こちらも積極的な活用をお願いします。

【子宮頸がん予防に係るHPVワクチンの接種について】
 子宮頸がんの予防効果が期待できるHPVワクチンは、小学校6年から高校1年相当の女性を対象として定期接種が行われています。
 加えて、国が積極的勧奨を差し控えていた時期に定期接種の対象であった平成9年度(1997年度)から平成19年度(2007年度)に生まれた女性のうち接種を受けていない方を対象に、公費による無料の接種、いわゆるキャッチアップ接種が実施されています。
 このキャッチアップ接種対象者と高校1年相当の女性が無料で接種できる期間は今年度末までとなっていること、また、HPVワクチンは、一定の期間内に3回接種していただく必要がありますので、希望される方は、今年9月までに1回目の接種を実施していただく必要があります。
 対象の方には、市町村から既に案内が送付されていますので、接種についてご検討いただき、希望される方は夏休みの機会を活用するなど、早めの接種をお願いいたします。

【あおもり救急電話相談(♯7119)の運用開始について】
 8月1日木曜日から、運用を開始する「あおもり救急電話相談(#7119)」について、ご説明いたします。
 「あおもり救急電話相談」は、県民の皆さまが急な病気やけがをしたときに、「救急車を呼んだ方がよいのか」、「今すぐ病院に行った方がいいのか」などで迷った際の電話相談を受け付けるものです。
 看護師資格を有する相談員が病気やけがの症状を聞いて、各種ご案内をいたします。
 迷ったら電話相談#7119と覚えてください。
 このことについては、40市町村長にもホットラインで伝えています。
 なお、15歳未満のお子さんに関する相談は、これまでどおり、「青森県子ども医療でんわ相談(♯8000)」で対応します。
 また、いずれも緊急だと思ったら、ためらわずに119番通報をお願いします。

【青森県教育改革有識者会議アンケートの実施について】
 小中高校生の皆さんに夏休みの宿題です。
 青森県教育改革有識者会議では、昨年度に引き続き、青森県の教育に関するアンケートを実施しています。今年は、学校現場の教職員の方に加えて、県内の学校に在籍する小学校5年生から高校3年生までの皆さんも対象です。
 集中実施期間は、8月15日までです。インターネット経由でアンケートフォームにアクセスして、回答する方式としており、名前や学校名の記入は不要、選択式の質問がほとんどで、所要時間は約10分となっています。比較的簡単に回答できると思いますので、教職員の方と児童生徒の皆さん、アンケートへのご協力よろしくお願いします。
 特に、教育の当事者であるこどもたちから、多くの声を届けてほしいと考えています。保護者の皆さまにおかれましても、こどもたちにアンケートへの回答について呼びかけていただくなど、ご協力をお願いします。

【青森りんご植栽150周年記念ロゴマークの決定について】
 青森りんご植栽150周年を記念したロゴマークが決定しました。
 青森りんごの歴史は、明治8年(1875年)に青森県庁にりんごの苗木3本が提供されたことから始まり、令和7年(2025年)で150周年を迎えます。
 これを記念して、県だけではなく関係団体で関連イベントの開催を予定しており、現在、実行委員会で検討を進めています。
 今回ご紹介するロゴマークは、県全体で150周年を盛り上げ、一体感を醸成することを目的にさまざまな取組や関連商品等に幅広く活用いただくためのものであり、デザインはこちらとなります。
 ロゴマークは、植栽150周年記念を通じて、青森りんごの魅力や歴史、そして伝統文化が再認識され、未来へその価値が伝えられることを願って作成しました。
 ロゴマークには、青森りんごの歴史とその成長を祝うという思いを込めています。そして、りんごのシルエットの中に、青森の伝統工芸の一つである「こぎん刺し」の模様を取り入れ、地域の個性と誇りを表しています。
 幅広い用途で利用していただくために、3種類のりんごのマークと9種類の文字のタイプを自由に組み合わせることができるようにし、さまざまなバージョンを展開できるようになっています。
 自治体や関係団体、民間企業等の関連企画やサービス、商品への添付など多岐にわたって使用できます。県庁ホームページに使用に関する申請手続きの詳細を掲載しますので、ぜひ多くの方々にロゴマークを活用していただきたいと考えています。一丸となって150周年を盛り上げたいと考えていますので、皆さんよろしくお願いいたします。
  
【アオモリモビリティシェア モデル的実証運行について】
 交通が不便な地域・時間帯における住民の皆さまの移動手段の確保のため、自家用有償旅客運送および自家用車活用事業の制度を活用した「アオモリモビリティシェア」のモデル的実証運行を実施します。
 実証運行の企画提案の公募、審査の結果、「一般社団法人青森県タクシー協会」および「五所川原市」を委託先として決定しました。
 青森県タクシー協会は、弘前市と連携した取組で、路線バスの運行が終了した夜間に鉄道と接続する交通機関がない方々の移動手段の確保を目的とし、運行事業者は弘前支部のタクシー事業者、運行区域は、出発地または到着地が弘前市内となります。
 五所川原市は、タクシー事業者がいない金木地域において、モデル事業に取り組みます。タクシーに変わる住民の移動手段の確保を目的とし、月曜日から金曜日の日中の運行を予定しています。
 人手不足などを背景に、地域公共交通の維持に困難が生じていますが、ライドシェアなどの新しい制度やDXを活用して、県民の皆さまの自立した日常生活、社会生活の確保や、地域間の交流の促進を図っていく取組を積極的に応援したいと考えています。そして、この取組が、全県に広がることを期待しています。

【青森県公式ファンコミュニティ「青森びいき」のオープンについて】
 青森県公式ファンコミュニティ「青森びいき」がオープンしました。
 これは青森県の話題に特化したSNSです。ぜひアプリをダウンロードして、体験してみてください。部活動のような取組もあり、私は肉部に入ってみたいと考えています。

【質疑応答(報告案件について)】
○幹事社
 それでは、ただ今の報告に対する各社からの質問としますが、質問は簡潔になるようご協力お願いします。質問のある方は挙手をお願いします。

○記者
 「ゼロFAX」についてお伺いします。年度内をめどにスタートとのことで、FAX機の機能の面などもあると思いますが、心掛け次第で今すぐにでも始められそうな気がするのですが、既に始まっているわけではないのでしょうか。

○知事
 年度内という期間を設定したのは、内部方針等にてFAXで対応することが原則になっている業務が一部ありますので、そういった業務は内部方針等の改正の後に「ゼロFAX」を推進することになるため、多少時間を要するということをご理解ください。

○記者
 アンケートの中で、FAXの送受信が1,000件以上の部署もあったとのことですが、県庁内での検討を進めていく上で、FAXを使わないと困るなどの意見はあったのでしょうか。

○知事
 もちろん、そういう意見もあるとは思いますが、それ以上に私たちが達成しなければならないのは働き方改革であり、テレワークや在宅勤務を推進していく上で、紙があるとどうしても職場に通わなければならないため、「ゼロFAX」が必要であるということを理解したものと考えています。

○記者
 県内の企業や団体などに対しても、ご理解とご協力をお願いしますとのことですが、企業などに対して、FAXを使わないことによるメリットをどのように説明していかれるのでしょうか。

○知事
 通信にかかる時間の短縮がメリットだと考えています。一度紙を印刷して、その紙をFAXに入れて、電話番号を打ち込んで送信して、FAX届きましたかと電話確認する手間が、メール1本で行うことにより確実に減ることになります。この1件だけでも数分の時間短縮になり、それを積み上げれば企業側の生産性向上にもつながると考えていますので、そういった意味で効果はあると考えています。

○記者
 県庁が取り組むことで、県内の民間企業も含めてそういう動きになってほしいという思いもあるということでしょうか。

○知事
 DXの推進については、やはり県庁が率先して進めていくことが非常に重要だと考えています。県庁もひとつの事業体であり、4,000人の職員がいて、特別会計も合わせると年間1兆円を支出している企業ですから、そこが率先してDXを推進することは、県内の企業に与える影響が大きいと考えています。

○記者
 私も「ゼロFAX」について伺います。県庁全体で見ますとFAXの紙が占める割合というのは、紙全体の分量でいうとそう多くはないのかなという認識でいるのですが、働き方改革という観点で見たペーパーレスについて、現状の目標など、何かお考えがあればお聞かせください。

○知事
 できる所から始めたいと考えています。粗々の試算ではありますが、今回この「ゼロFAX」を推進することによって、約31万5千枚の紙が削減される見通しです。これは年間の紙の使用量で見ると1%に満たない数字ではありますが、まずはスタートの象徴的な事業として始めていきたいと考えています。

○記者
 もう1点お聞かせいただきたいんですが、働き方改革という点でみたペーパーレスについて、県庁でこれまで取り組んできた施策や、それを通じて知事としてお感じになっている効果をお聞かせください。

○知事
 ペーパーレスは目的ではなく手段であり、ペーパーレスを実現することによって、多様な働き方を実現することが大事ですので、まだスタートを切ったところだと私は考えています。

○記者
 アオモリモビリティシェアについて3点お伺いします。交通が不便な地域・時間帯での移動手段確保のためとのことですが、この2つの地域で、どれぐらいの人が不便だと感じているのか、アンケートやデータを把握していましたら教えてください。また、この2か所について、それぞれ何台ずつ実証実験に使用するのかが決まっていたら教えてください。
 最後に、こちらの実証運行をしたあとに課題の把握検証をして、そのあと各地域で実際こちらのモビリティシェアが実現可能かどうかを検討することになると思いますが、その時の県の関わり方をどのように考えていらっしゃるのかをお願いします。

○知事
 まず、データからこの2地域が対象になったということではなく、全県的に募集をして、この青森県タクシー協会と五所川原市から応募があったものですので、それぞれが交通に支障が生じている時間帯や地域があると把握しているところを、私たちが拾い上げて実証実験をしようという流れです。
 何台ずつ必要かということについては、これから実証実験の過程の中で把握していくことだと考えています。
 全県でこれからどのようにするかは、まさにこの実証実験を経て、課題を整理した後に検討することですので、まずはスタートを切ることが大事だと私は考えています。

○記者
 この2か所の実証運行が終わったあと、他の地域でも実施することもお考えなのでしょうか。

○知事
 要望に応じて実施することもあると考えています。ライドシェアは、注目の交通モードですから、うまくいくのかということについては、これから見極めていきます。その上で、次の展開をどうするかを考えていくのだと私は理解しています。

○記者
 話題戻りまして、「ゼロFAX」の件でお伺いします。FAXは、例えば災害対応の時に市町村から報告をもらう時など、必要事項を記載した紙を送って報告は完了して、一目見たらわかるという意味で、使い勝手もいいのかもしれないとは思いますが、ただ、国によっては既に博物館にあるところもあると聞いたことがあります。知事としては、FAXはもう社会的な役割は終えたとお考えでしょうか。

○知事
 博物館に行くべきだと考えています。

○記者
 アオモリモビリティシェアについて、以前、知事が内閣府の規制改革推進会議のワーキング・グループに出席された時、三方よしということをおっしゃっていましたが、今回の事業にその辺を盛り込めたのでしょうか。

○知事
 利用者である地域の住民にとってよしというのがまずひとつ、それから事業者にとっても、しっかりと生業として成立するという意味でよし、三方目は地域にとって移動が活性化することで、経済を活性化するという、利用者にとってよし、事業者にとってよし、地域にとってよしの三方よしである仕組みが大事だと考えています。
 そこは実証運行の中で慎重に検証していくことだと考えていますし、今この段階で、そこは達成されると考えています。

○記者
 私もアオモリモビリティシェアについてお伺いします。今回、弘前と五所川原で行われるということですが、この2か所になった理由を教えてもらえますでしょうか。

○知事
 公募をして、応募があったのが2か所だったということです。もともと予算も2か所程度を想定していました。

○記者
 つまり複数の応募があった中から2か所を選んだわけではないということですね。

○知事
 そのとおりです。

○記者
 五所川原での実施について、タクシー業者が廃業になって交通が不便になっている状況かと思いますが、この点をみると事業者にとって生業として成立するというのがなかなか難しいようにも感じます。この実証運行の中で事業者にとって生業として成立するためには、どういったアオモリモビリティシェアの形があると考えていらっしゃいますでしょうか。

○知事
 まず、今回の実証運行では五所川原市が事業主体となりますので、市が事業主体となっても財政的に継続的に運行できるような環境の在り方を検証することによって、先ほど言った三方よしという世界観は達成できると考えています。
 加えて、事業者がよしという仕組みをどう作るかということについては、やはりそれによって利益が出ないといけないわけですから、利益が出るようにするためには、どのようにするのかということを考えなければなりません。ただ一方で、運賃との関係や自治体の補助との関係など、さまざまなことを今回の実証実験の中で検証してほしいと考えています。

○記者
 アオモリモビリティシェアについて、今回の県の取組として、タクシーやバス事業者の撤退により、交通が不便になったところの補助という意味合いがあると思います。改めて知事として、この実証運行に対する期待についてお聞かせ願えますでしょうか。

○知事
 全県で高齢化が進んでいますので、どうしても自分で運転できなくなって免許を返納するという方も増えると思います。ですから、本県全体の地域の足の確保に向けて、このライドシェアはそれを支えるひとつの大きな仕組みになってくれると期待しています。今回の実証実験でもそういった三方よしが達成できるように、そしてその先に、全県で展開できる仕組みになれるように取り組んでいただきたいと考えています。

○記者
 国の枠組みで事業者が実施する「日本版ライドシェア」とはまた別に、自治体が主体となって事業をやることについて、自治体主体だからこそできることや、検証したいことはございますか。

○知事
 やはりそれぞれ各地の課題があって、先日、五所川原市長と話をした際には、大変前向きに考えていただいているようでした。
 今回、五所川原の場合は金木地区にタクシー会社がなくなってしまったということで、この代替をどうするかということが、今回新しい仕組みで検討できるというのは、これはまさに地域課題そのものを解決する手法としてライドシェアが今登場しているということだと考えています。まず、そこをうまく運行させることができれば、交通空白地帯と言われるほかの場所でも、新しい仕組みとしてライドシェアが導入されるきっかけになってくれると考えています。

○記者
 青森りんご植栽150周年の件で、お伺いします。まず、知事ご自身この150周年という節目を、どのように受け止めていらっしゃるのか、また、この節目を通じて、今後のりんご産業の振興についてどのように生かしていくか、お伺いいたします。

○知事
 本当に大きな節目で、私も話を聞いて150周年を迎えることは本当にすごいなと思っています。おそらくりんご産業も、いろいろな変遷があったのだと思います。りんごを植えてみたら、それなりに実ることが分かってきて、それを品種改良に品種改良を重ねて一大産地になったことは、農家の人たちの力や、達成してきた歴史があり、今このりんご県としての青森県の礎が築かれてきました。この節目を通じて、さまざまなことを乗り越えて、一大産地としての青森県ができあがった歴史を改めて振り返る機会にしたいと考えています。
 そしてこれからのりんご産業は、非常に厳しい局面だと考えています。それはひとつには担い手不足、後継者不足、人口減少などによる大きな転換点に立っていますが、これまで積み重ねてきた歴史や、さまざまなことを全て乗り越えてきて今に至るということを、これからどのような壁があっても乗り越えていって、この産業を守り育てそして成長させていくということを、新たに我々自身が考えるきっかけにしていきたいと考えています。
 特に、年々農家の数が減り、放任園が増え、この1千億ともいわれる産業を守って育てること自体が、農家を守るだけではできなくなってきているので、新しい産業の在り方を、りんごイノベーションセンターでも、しっかり考えながら進めていく、ひとつの契機にしていきたいと考えています。

○記者
 もう1点、デザインの部分でお尋ねします。知事のご説明の中で、りんごの歴史と成長を願う思いを込めているとおっしゃっていました。このデザインにどのように落とし込んでいらっしゃるか、ご説明いただいてよろしいでしょうか。

○知事
 こぎん刺しの模様を取り入れています。こぎんというのは、諸説ありますが、古くは「小布(こぎん)」と書き、農家の丈の短い仕事着を指していたという由来もあるようです。こぎん刺しは青森県の伝統工芸のひとつであり、地域性と深く関わっているということがありますので、りんごだけではなく、伝統工芸の伝統にも思いをはせることによって、過去からこのりんごがつながってきているということを、デザインを見ていただければ感じていただけると考えています。未来を感じさせるようなデザインに仕上がっていますので、過去現在未来のりんごを取り巻く地域性をこのシンボルマークにあしらっていると理解しています。

【質疑応答】
○幹事社
 次に、報告案件以外に対する質問に移ります。まず幹事社から質問させていただきます。
 県立中央病院と青森市民病院の統合新病院について、先日、整備場所の新たな候補地として県営スケート場一帯を加える発表がありました。8月中に候補地を決定する方針に変わりはないということですが、今後、有識者会議や県議会の質疑も予定されており、1か月で議論が尽くせるのかという声もあります。改めて、8月中の決定という方針に変わりはないのかをお伺いいたします。

○知事
 8月中の決定に変わりはありません。

○幹事社
 続いて各社からの質問としますが、質問は簡潔になるようご協力をお願いいたします。
 質問のある方は挙手をお願いします。

○記者
 私も今の質問に関連して、統合新病院についてお伺いします。市の検討会議が何度か開かれていて、そこでもスケート場一帯になった場合の代替施設が注目されていました。先日お示しいただいた事業費の概算の資料に、移転する場合のスケート場の整備は県側で、サンドームと公園の整備については市の負担でという形で事業費が記載されていました。一方で、21日の有識者会議の中では、施設の整備に当たってはスケート場と一体で県として必要なサポートがしていけるのではという、県側の言及もありましたが、代替施設の整備に当たって例えば県側で市に財政的に支援をするとか、今の時点でその費用の負担についてそのお考えになっていることがあれば、教えていただければと思います。

○知事
 お互いに協力して進めていくことだと考えていますが、今の時点で、費用負担についての議論には至っていません。

○記者
 話題変わって、先月の県議会で知事はボールパークの整備構想について言及されていました。今年度、いろいろ進めていくと思いますが、今後のスケジュールや方針など、どういったことを議論していくのか、今の時点で決まっているものがあれば教えてください。

○知事
 8月下旬に第1回の会議を開催するので、そこに向けてさまざまなことを検討中です。今はそこまでしかお答えできないという状況です。

○記者
 有識者会議での検討には、整備場所等も含まれるという理解でよろしいでしょうか。

○知事
 そのとおりです。

○記者
 子ども・子育てのことについて伺います。10月提示予定の青森モデルについて、策定に向けての検討状況を可能な範囲でお聞かせいただければと思います。

○知事
 現在、どのように発表するか、あるいはどのように整理するかについて、詳細を詰めている段階です。10月に発表しますので、しばらくお待ちください。

○記者
 過去の対話集会では、「こども誰でも通園制度」や保育士の処遇改善といった具体策にも言及されていました。その2つに関しまして、現状の課題認識等、具体策の検討状況を教えてください。

○知事
 まず保育に関しては、保育士不足、保育士の処遇改善、それから配置の課題が現場からの声でありました。
 それに加えて、こども誰でも通園制度の話もありますし、また、三沢ではベビーシッターのお話も聞きました。保育ということに関していえば、学童保育にも課題があると私は考えています。
 さらには、障がいをお持ちの方、特性をお持ちの方についての保育にも課題があると考えていますし、また預かる方のお話の中では、弘前の乳児院に行った際には、自治体の協力、養子の話などもあり、そこで乳児院そのものが人手不足である、あるいは保育士さんたち同士のネットワークがなく、保育士さん同士がつながる仕組みが欲しいといったお話もありました。
 今まで聞いた話を思い出すだけでこれぐらいあるので、きちんと整理する必要があります。保育だけでもそうなので、例えば結婚については、どのような意見が出ていたかということも、同じように全部整理をしなければなりません。
 今、その洗い出しと、それをどう政策に落とし込んでいくかということを、最終的に調整している状況です。

○記者
 今のお話に関連して、県ができる部分と、国ができる部分、あるいは市町村ができる部分というのは、個別に見ていくと違う部分があると思います。基本的な政策を組み立てていく中で、県としてどういったことができるのか、お考えがあればお聞かせください。

○知事
 もちろん県としてできる部分もありますし、市町村をフォローする部分が中心になると考えています。ただ、やはり県で届かない部分も結構あるので、そこは国への提言としてまとめていきたいと考えています。

○記者
 三沢基地関連で2点お伺いします。1点目、今月3日に米国防総省が三沢基地の空軍F-16戦闘機をF-35Aステルス戦闘機に置き換える計画を発表しました。発表の翌日に知事は防衛省で要請をなさいましたが、改めて置き換えに関する受け止めと、国や米軍に求めること、さらにこの置き換えの時期など不明な点も多いのですが、新たに分かったことや、動きなどがあれば教えてください。

○知事
 まず大事なことは、民政の安定だと考えています。住民の皆さまが安心して安全に暮らせる環境をどうやって作るのかが大事ですので、そこに対しては、国も米軍もしっかりと説明責任を果たすべきだと考えています。
 国と米軍に求めることは、まさにそのこと一点でありまして、それは木原大臣にも直接お伝えしましたし、昨日、米軍三沢基地司令官のデイヴィッドソン大佐がいらっしゃった際にも私から心配事はあるので、それはしっかりこれから伝えさせていただきますと、お伝えしております。
 その後分かったことという3点目については、特にその後、何か我々が説明を受けていることはございません。

○記者
 発表の前日に県が知るということで、既に県民が安心できる状況にないという指摘もあると思いますが、そのあたりはどうでしょうか。

○知事
 まさにご指摘の通りです。明日すぐに48機になるわけではないと思うので、丁寧な事前の説明というのは私は必要だと考えています。

○記者
 2点目、2021年と2022年に米軍関係者による性犯罪事件があり、県はその事件を把握していなかったということがありました。26日に国や米軍に対して、再発防止や日米地位協定の通報手続きに基づいて、確実に通報するように県は求めましたが、このことに関する知事のご見解と、今回の2件について、どの時点で情報が止まって県に来なかったのか、新たに分かった情報などがあればお伺いします。

○知事
 性犯罪は、どこの国の誰であろうが、絶対に許されないことであり、このようなことが起こってしまったことは残念に思います。そして通報が一切なかったということについては、非常に憤りを感じています。
 いつ分かったかということについて言えば、私自身も報道で知りましたので、本当に通報がなかったのだろうと考えています。現状も変わりありません。

○記者
 県庁のDXについてお伺いします。午前中に開かれた庁議と青森県人口減少対策推進本部会議にて、一斉会議システムを利用されたということを耳にしました。本日、初めての利用とのことですが、導入された背景や狙い、また実際に使ってみて、どのような印象を持たれたかを教えてください。

○知事
 まず背景ですが、ペーパーレス化を進める中でも、会議を円滑に進めるに当たって必要なことと判断し、導入しました。
 私の印象ですが、会議はスムーズに進んだと思う一方で、自分自身で操作するわけではないので、なんとなく集中力がなくなる瞬間もありました。
 資料を見てデータを理解するまでの時間は、人によってまちまちなので、少し自分の中で考えたいと思っていても、もう次の資料に切り替わっていたということもありました。そこは自分の理解力の問題なので、みんなのDXに追いつけるように頑張ります。

○記者
 現状、このペーパーレス会議システムが使えるのは、部長と次長に貸与されているパソコンだけとのことですが、庁内で使えるようにした方が、よりペーパーレス化も進むのではないかと思いますが、その辺の見通しなどを教えてください。

○知事
 本日の庁議にて、執務環境や仕事の環境の改善について議論を始めてほしいということを伝えています。その中でいろいろな意見が出てくると考えていますので、出てきた意見をもとに改善していこうと考えています。

○記者
 先ほどの話に関係しまして、米軍の性犯罪の関係でお伺いします。先週、県としても要請されましたが、全国でも同様に通報がなかったというのが明らかになっています。この辺りは、青森県としてだけではなく、国全体として求めていかなければならないことだと思いますが、知事として今後どういう形で求めていきたいかなどを教えてください。

○知事
 通報は日米合同委員会で求められている手続きであり、それをやらないということは、米国側の怠慢だと考えています。

○記者
 先週の要請に対して、その後回答がきたというそういうこともないですよね。

○知事
 ないです。

○記者
 この件はまず要請したということで、一度ボールを向こうに投げたということですね。

○知事
 要請以外のことができる状況でもありませんので、まずは要請させていただいたところです。

○記者
 本日行われた人口減少対策推進本部会議において、女性の人口流出への対策が必要だということが明確に打ち出されていました。この数字の受け止めと、今後どういう形で対応を進めていきたいかのお考えを伺えますでしょうか。

○知事
 数字の受け止めについては、極めて深刻だと考えています。若い女性に選ばれない青森県になっている現状だということです。
 ただ、会議の中でも申し上げましたが、都合の悪い数字でも、積極的に開示して、そこから議論をスタートすることが大切だと考えています。
 これからの対応としては、その理由が何なのかについて、突き詰めていくことが必要です。その手段として、例えば弘前大学が大学生に対してアンケートを取ることや、私自身も対話集会などの機会にそういうことを聞いてみるなどといったことが大切だと考えています。
 データはあくまでも現状の把握と目標を作るためのツールですので、そこから政策につながるヒントをしっかり見つけていきたいと考えています。

○記者
 話が戻って恐縮ですが、統合新病院の関係で、8月中に決定という方針に変わりはないということですが、新しい案が出されてから1か月ほどで決めるというのは、拙速なんじゃないかというお話が聞こえてきます。そのことに対してはいかがでしょうか。

○知事
 双方が1か月でしっかり議論を尽くす努力をすることが大切だと考えています。

○記者
 1か月あれば十分だということでしょうか。

○知事
 もちろんです。十分時間はあると考えています。
 まずはお互いがしっかりと論点を開示して、その論点について整理を進める努力をしていくことが大事だと考えています。
 8月中に決めるということは、青森市も合意した期間でありますから、しっかり双方が努力して進めていくということだと考えています。

○記者
 新しい案が出たとしてもということですか。

○知事
 新しい案が出ようが出まいが、8月中には決めないと、次のスケジュールに続いていきませんので、それぞれがしっかり努力をして、良い案に仕上げていきたいと考えています。

○幹事社
 それでは最後に知事からお願いいたします。

○知事
 オリンピックが非常に盛り上がっております。私自身も、昨日夜遅くまでスケートボードを見ていました。県内出身の選手たちの、出場日程について調べてきましたので、みんなで青森から応援して、盛り上げていきましょう。メダルが期待される選手たちもいらっしゃいますし、本県を代表して頑張ってくれると思っていますので、私もテレビを通じて応援したいと考えています。
 今年も暑い夏になると思いますが、皆さんどうか熱中症等に気を付けて、楽しいお祭りの期間を過ごしましょう。本日もありがとうございました。

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